佐藤航陽の宇宙会議【第2回メモ】
はじめに:予測不能な時代に生きる私たちへ
2025年。
おそらく、私が生きてきた中で最も変化が激しく、価値観の転換が起こる年になるだろう。
テクノロジーが急速に進化し、AIが人間の仕事を奪い始めるなか、私たちは「仕事とは?」「キャリアとは?」「人生とは?」という根本的な問いに立ち戻らざるを得なくなっている。
そんな時代の真っ只中にあって、私たちは何を手放し、何を手に取るべきなのか。
そのヒントは、既存の「努力すれば報われる」「頑張らない生き方が正しい」という二項対立を超えた、新しい価値観の中にある。
この動画から学んだこと、私たちが行動できることをメモしていきます。
2025年の時代背景と価値観の揺り戻し
テクノロジーと常識の崩壊
AIは今やオフィスワーカーの仕事を静かに、しかし確実に奪い始めている。
これは単なる技術の進化ではない。「仕事とは何か」「キャリアとはどう築くべきか」という前提そのものが崩れ始めているということだ。
書籍『ゆるストイック』は、まさにこの「変化の時代」における新しいキャリアと生き方を描いたものであり、既存の常識に囚われない柔軟さと自己理解の重要性を説いている。
“意識高い系”から“頑張らなくていい系”へ
2000年代~2010年代半ばにかけて、私たちは「成長」「勝利」「競争」に人生を捧げる生き方を理想としていた。
ホリエモンに代表される新自由主義の思想が社会を牽引し、「もっと高みを目指せ」という風潮が支配的だった。
しかし、コロナ禍を境に、その価値観が音を立てて崩れた。
代わって登場したのが「頑張らなくていい」「無理しない」という生き方だ。
ひろゆき氏に象徴されるこの価値観は、ニヒリズムのように見えて、実は多くの人にとって救いでもあった。
努力が報われないこともある、ならば「できる範囲で生きればいい」と。
そのメッセージは、一時代の癒やしだった。
そして2025年:価値観の再転換
しかし2024年以降、コロナ禍が完全に終息し、社会活動が再開されると、多くの人々が「このままでいいのか?」と感じ始めた。
「頑張らなくていい系」の本は売れなくなり、「意識高い系」の本も売れない。
代わりに売れているのは、ビジネスの基礎に立ち返るような実践的な書籍。マネジメント、リーダーシップ、営業、リスキリング…。
つまり今、多くの人々は「見えないところで静かに努力をしている」のだ。
表向きは変わらなく見えても、裏では危機感を持ち、自分なりに世の中に置いて行かれないように準備している。
格差社会のリアル
アメリカでは1億円超の年収を得る層と、ホームレスや薬物依存者が同じ街に共存する。
中国では高学歴の若者の半数が無職、韓国ではニートが急増、日本でも年収数千万の若手が増える一方で、手取りはむしろ下がっている。
格差は静かに、しかし確実に広がっている。
この現実において、「頑張らなくていい」というメッセージは、もはや首を絞める可能性すらある。
新しいストイック「ゆるストイック」という生き方
こうした背景を受けて著者が提案するのが「ゆるストイック(ゆる×ストイック)」という新しい概念だ。
・他人に自分の正しさを押し付けない
・でも、自分に対してはストイックにやるべきことをやる
・熱血でも冷笑でもない、地に足のついた柔軟な生き方
これは大谷翔平選手や井上尚弥選手、藤井聡太さんのような、淡々と結果を出すプロフェッショナルに見られる態度にも通じる。
学びから行動へ 〜“ユストイック”な未来をつくるために〜
1. 「頑張らない」でも「頑張る」でもなく、“自分のための努力”を選ぶ
これからの時代、重要なのは「正しさの押しつけ」ではない。
他人と比較して頑張るのではなく、自分の内側から湧き出る意味のある努力を選ぶこと。
誰かに認められるためにストイックになるのではなく、自分の価値や目標に忠実な努力を。
「休んでもいい」は時には必要。しかし、それを“常態”とすることにはリスクがある。
小さな行動でも、確実に前進しているという実感が、自己肯定感を高める。
2.「運」の存在を認めつつ、運を味方にする行動をとる
この時代、努力だけで成功できると思うのは危険だ。
「運」の要素は確かに存在するし、それを否定してはならない。
ただし、運を良くする努力はできる。
例えば、出会う人を増やす、発信する、学びを続ける、リスクをとる――
すべては“運が巡ってきたとき”に、それを掴む準備をするための行動だ。
✔ 運の領域:選べない環境、偶然のチャンス
✔ 努力の領域:学習、発信、人間関係、実績
この2つを切り分けて考えることが、無駄に悩まないためのコツでもある。
3.自己リスキリングと「変化対応力」を養う
今、売れているビジネス書の多くは「基礎スキルの再学習」だ。
華々しい成功哲学ではなく、地道な実務力に人々の関心が向いている。
これは「静かな備え」の現れでもある。
今後のキャリア形成には、以下のようなスキルが不可欠になる:
- リーダーシップ:指示ではなく巻き込み力
- マネジメント:成果を出すチームづくり
- セルフマネジメント:感情とタスクのコントロール
- コミュニケーション:共感と論理の両立
学びを継続し、変化に対応できる自分を作り続けること。
それこそが、次の時代に生き残る「ユストイックな人」の共通項だ。
4.発信とメディアの力を正しく使う
今、テレビや芸能界の権威が崩れ、個人がメディアになれる時代が来ている。
これは一部のインフルエンサーだけの話ではなく、すべての人が対象だ。
SNS、YouTube、note、Voicy……
選べるメディアは多様になったが、「誰に、何を、どう伝えるか」が問われている。
表層的なバズ狙いではなく、「自分の考え」「実体験」「学び」を言語化する力が、信頼を生み、新しい機会を引き寄せる。
「発信しない人ほど損をする」時代。
小さくてもいい、習慣として始めることが未来を拓く。
おわりに:「普通の人」こそ輝ける時代へ
2025年は、ただの通過点ではない。
価値観の転換点であり、私たち一人ひとりが「どう生きるか」を問い直される年だ。
意識が高すぎてもダメ、低すぎても危ない。
「ちょうどいい頑張り方」「ちょうどいい自己理解」が求められる。
ゆるストイック――この柔らかくも芯のあるスタイルが、これからの時代にフィットする。
それは誰かの真似でも、過去の価値観の焼き直しでもない。
“自分の内側にある軸”に従って動く新しいかたちだ。
努力と運、不安定と柔軟性、静けさと情熱。
これらを重ね合わせ、統合していく。
それが、2025年以降の未来をしなやかに生きる術になるのではないだろうか。🚀✨